■ラリーに求められる機能をPanasonicのモバイルパソコンで
スバル チーム クオシス様が、Panasonicのモバイルパソコンを活用する主な用途は次の通りです。
<主な用途>
1. ラリーのナビゲーションシステムとして
ラリーカーに搭載されているTOUGHBOOK CF-18は、おもにコ・ドライバー(副操縦士)が使用するシステムとして利用されています。
コ・ドライバーはドライバーとともにラリーカーに同乗し、レースの間、次のカーブの大きさや長さをドライバーに指示するなど、コースの道案内を行います。本戦の前にはコースを下見して、道路の状況をつぶさに記録しており、本戦ではコ・ドライバーがそれを読み上げます。ドライバーはコ・ドライバーが読み上げる指示を信じて運転に集中し、最大限の力でラリーを戦います。レースの規則によって、一般車に搭載されているようなカーナビゲーションシステムは、ラリーカーには搭載できませんので、コ・ドライバーがいわば「人間カーナビ」として、ドライバーをサポートしているのです。
コ・ドライバー用のコンピュータとしては、従来は「ラリーコンピュータ」という専用機が利用されていましたが、スバル チーム クオシス様は、この専用機の機能をさらに拡張した「RNS-Ex」というソフトウェアを開発。「RNS-Ex」を車載のTOUGHBOOK CF-18にインストールしてご活用です。
「RNS-Ex」の主要な機能は、走行区間の距離と走行時間を計算・表示する機能です。たとえば「現在のスピードで走り続けると、何時に到着するのか」がワンタッチで表示されるようになっています。この機能が最も役立つのは、リエゾン(移動区間)の途中でタイヤを交換したり、クルマを修理したりする場合(※)。時間内にタイヤ交換や修理ができるのか、できるとすればそれはどれくらいの時間が可能なのか、それらを見定めたいときに、コ・ドライバーは「RNS-Ex」を使い、残りの走行距離と所要時間を把握します。
このほかにも、ライバルの平均走行速度や、自分たちとライバルの秒差を計算して、一覧表示する機能など、「RNS-Ex」にはさまざまな機能がプラスされています。
| ※ ラリーのコースにはSS(スペシャルステージ)と呼ばれる競技区間と、リエゾンと呼ばれるSS間の移動区間があり、SSのスタートからゴールまでの走行タイムの合計で、ラリーの順位が決まります。リエゾンは駐車場やサービスパーク、SSの間のつなぎのコースのこと。リエゾンは公道であり、法定速度など交通規則を守らなければない一方、走行には制限時間が決められています。制限時間は渋滞や信号も考慮して決められているものの、次のポイントまで急がなければならない場合もあり、選手には交通ルールを守った上での効率的な走行が求められるのです。 |

画面をタッチして「RNS-Ex」の
操作を行う、コ・ドライバーの
デニス・ジロウデ選手
2. エンジンマネジメントシステムとして
もうひとつの重要な用途は、ラリーカーのエンジンマネジメントを行うことです。近年のラリーカーはすべてコンピュータで制御されています。スバル チーム クオシス様では、メカニックがエンジンを最適な状態で作動させるため、TOUGHBOOK CF-29を使って、エンジン内部の情報を収集し、燃料噴射制御や点火時期制御、ターボ過給圧制御など複数の制御装置に情報をフィードバックして最適な状態に調整します。これは海外製のソフトウェアを使って実施しています。
現地の温度や湿度によってエンジンの挙動が変わってくるため、エンジンマネジメントは、事前に調整を行ったうえでレースごとに現地でテスト走行を行い、さらに微調整をします。現地でのテストの際には、走行車両にメカニックがTOUGHBOOK CF-29を持ち込み、ラリーカーを走らせながらセッティングを行います。
3. 燃費と冷却水のマネジメントシステムとして
スバル チーム クオシス様は、燃費と水の管理にもTOUGHBOOK CF-29を利用しています。
車重が軽いほど燃費がよくなるわけですから、コ・ドライバーやドライバーはガソリンや冷却水の最適な量、最適な補給ポイントをあらかじめ把握しておく必要があります。
そこで杉山チーフ・メカニックは、走行区間を入力すると燃費や必要な冷却水の量が表示される、エクセルのプログラムを組まれました。帯広のPCWRCでも、出走前に、メカニックや選手がエクセルの計算結果を見ながら打合せをする光景が見られました。

TOUGHBOOK CF-29の画面を
見ながら、燃費を確認する
鎌田選手と杉山チーフ・メカニック
4.カウントダウンタイマーとして
ラリーカーが修理・メンテナンスを受けることを「サービス」といい、その場所は「サービスパーク」と呼ばれています。ラリーカーがサービスを受けられる時間は「30分間」「45分間」などと決められており、メカニックたちは神業のような腕前で、この時間内に壊れたラリーカーを修理します。ここでも時間の管理は非常に重要。というのもサービスの終了時刻に狂いが生じて、ラリーカーがサービスパークを出る時刻が早すぎた場合、または遅すぎた場合、その分ペナルティタイムが走行タイムに加算されてしまい、成績に大きく響くからです。
そこでスバル チーム クオシス様は、サービスの時間を管理するソフトウェア「カウントダウンタイマー」を開発され、チームのテントに据え置いているTOUGHBOOK CF-18に搭載しています。朝、サービスの予定を入力しておき、テント内の液晶モニターにLAN経由で転送し拡大表示させています。サービス時はメカニックが液晶モニターでサービスの残り時間を確認し、規定の時間通りにラリーカーが出走できるよう、作業を行います。

メカニックは、残り時間を
確認しながら修理を実施
5. 文書作成やメール、ホームページ・ブログ更新のツールとして
そのほか、テント内のLet'snote Y4、W4、R4といったPanasonicのモバイルPCは、ラリー出場に必要な文書の作成や、メール、ホームページの更新、ブログの更新に利用しています。
ラリーカー内に設置したカメラで撮影した「インカー映像」も、「F1と並ぶモータースポーツの最高峰、WRC(世界ラリー選手権)日本語公式サイト(http://e-wrc.jp/)」内にアップされ、爆発的な人気を集めているようです。
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