RULO Biz導入事例 | NTT西日本グループ テルウェル西日本 株式会社様
人手不足や高齢化で悩むビル清掃に変革の波。
クラウドで遠隔操作する1,000台のロボット掃除機が、新たな未来を切り拓く
ビルメンテナンス業界は、人手不足に加えて3Kのイメージから若い清掃員が増えず、現場の高齢化に悩んでいる。そんな状況を打開しようと、テルウェル西日本が採用したのが、小型ロボット掃除機のRULO Bizである。テルウェルが清掃を請け負う施設、ビル現場に1000台超のロボット掃除機を導入し、専用サーバで一元管理することで、現場の負担を減らしながら、清掃品質を保つことが可能になった。積極的なICTソリューションの活用を推進している総合ビルマネジメント部の栗田眞也様に、RULO Biz導入の経緯についてお話を伺った。
人手不足と高齢化が課題。RULO Bizを導入したハイブリッド清掃を開発
―――御社はどのような仕事をされているのでしょうか。
栗田様: 当社はNTTグループの一員として、通信以外の様々な業務をしている会社です。2001年に電気通信共済会の一部の事業を継承し、テルウェル西日本として創立しました。ビルメンテナンス事業については、共済会時代を含めると足かけ70年もの経験と実績があります。
現在、特に力を入れているのはICTを活用したビルメンテナンス事業ですね。今やどの業界でも人手不足が課題になっていますが、ビルメンテナンス業界も例外ではなく、3K(きつい、汚い、危険)のイメージから人手不足が続いています。また、清掃員の高齢化も喫緊の課題。当社では、約2000人の従業員の半数以上が60歳以上なんです。
私どもはNTT西日本エリアを管轄しておりますが、有人、無人含め約3000ものビルがあります。月1回の清掃で済む無人の通信ビルもありますが、有人のビルの場合は頻繁に清掃する必要があります。人手不足と高齢化の中で、多くのビルの清掃品質を維持するのはなかなか大変なことです。そのため、人の代わりにロボットが清掃できる部分はロボットを活用する、人とロボットを融合させた「ハイブリッド清掃」を開発しました。
現場の清掃員にも扱いやすく、清掃結果も可視化される。とにかく管理が楽
―――RULO Bizを導入しようと考えたきっかけは何だったのでしょうか。
栗田様:ビルメンテナンス業界は、10年ほど前から大型ロボットを活用した清掃に取り組み始めていました。
ビルには共用部(ロビーや廊下といったエリア)と専有部(事務所や執務室などのエリア)があり、専有部のエリアのほうが広めです。しかし、什器や机、椅子があるような細かい場所の掃除には大型ロボットを導入しづらいため、これまで活用ができておりませんでした。そこで小型のロボットが導入できれば、より効率的で、共用部と専有部の清掃、どちらにも対応できるはずと考えました。
小型のロボット掃除機の導入にあたっては、さまざまなメーカーのロボット掃除機を検証してみましたが、1台1台に清掃員の操作が必要なのがネックでした。高齢の清掃員がスマートフォンを操作してそれぞれの掃除機を動かすのは困難です。なるべく現場に負担がないような形のロボット開発が課題でした。
そうして行きついたのがRULO Bizです。採用の決め手になったのは、清掃マップをクラウドで管理し、複数台の動きを遠く離れた事務所から一元管理できる点ですね。現場の清掃員はロボットを移動するだけ、ロボットが集めたゴミを捨てるだけなので、これならデジタルに不慣れでも扱えると感じました。実際、思った以上にすんなり現場に導入でき、清掃員から不満の声が上がらないことに逆に我々がびっくりしているくらいです。
清掃スケジュールは事務所で一元管理。現場は設置とゴミ出しだけでよい
―――RULO Biz採用の決め手になったクラウド管理について、もう少し詳しく教えていただけますか。
栗田様:例えば沖縄のビルを掃除するとしましょう。RULO Bizなら、東京の事務所に居ながらにして、沖縄のビルの床掃除が可能です。
現場の沖縄での作業としては、ロボットを配置してもらい、機械清掃が終わったらRULO Bizからゴミを出してもらうだけ。清掃内容は東京からスケジュール管理できるので、清掃マップを遠隔で送信すると、あとは決められた時間に決められた場所を、ロボットが丁寧に清掃してくれます。清掃結果も東京の事務所からクラウド上で確認できますし、もしロボットに何か異常があっても、状況を知ることができます。さらにRULO Bizは、実際にどれだけゴミが取れたのかということもクラウド上に可視化されます。ゴミがたくさん取れた箇所は濃い色で、ゴミが少なかった場所は薄い色で表示され、一目で把握できるので、清掃頻度の変更など、さらなる効率化にもつながります。
現在、1000台を超えるRULO Bizを導入していますが、大きいビルでは1棟で約20台を設置しています。曜日ごとに1台のロボットを複数のエリアでローテーションしたり、階をまたいで使ったりすることも可能なので、複数台をフレキシブルに運用できるのもいいですね。複数の清掃マップとRULO Bizとの組み合わせが自由にでき、機器の入れ替えが可能な点も魅力です。
メンテナンスも簡単。集塵能力も高く、ビルが隅々までキレイになる
―――RULO Bizの現場での使い勝手はいかがでしょうか。
栗田様:現場の清掃員からは、非常に扱いやすいという声をいただいています。所定の位置に設置するだけで準備は済みますし、ロボットが取ったゴミは、上部のボタンを押して開ければ、簡単に取り出すことができます。
集塵能力も申し分なし。初めてテストしたのは、清掃員が掃除した後のエリアだったのですが、それでもRULO Bizがたくさんゴミを取ってくれたのにはびっくりしました。人が掃除をする際にはどうしても掃除機がけにムラが発生しますが、ロボットは決められたエリアを正確に清掃してくれるので取りこぼしがありません。よくゴミが取れるのは、きっとブラシの形状もいいのだと思います。
RULO Bizが隅々まできれいにしてくれるので、全体的に清掃品質が向上し、ビルに入居されている方からも「部屋全体が明るくなった気がする」というお声をいただいています。
ICTを活用しながら3Kのイメージを払拭し、優秀な人材を育成していきたい
―――御社のこれからの展望を教えていただけますか。
栗田様:我々はNTTグループの一員として、お客様に高品質なビルメンテナンスをご提供するということを常に意識しながら業務を推進しております。特に力を入れているのは教育体制です。毎年ビルクリーニング技能競技会という大会を自社で開催し、各支店から選手を集めて清掃技術の向上に努めているほか、各支店で研修や自己啓発でさらに各清掃員の技術力を高めています。
今後も、高い清掃スキルを持つ人材とともにRULO Bizを融合させたハイブリッド清掃を推進し、清掃品質を上げていきたいと思っております。快適、安心、安全が当社のポリシー。スマートビルメンテナンスのパイオニアとして、ICTを積極的に活用しながら、ビルメンテナンス業界の3Kを脱却し、若い方も働いてみたいと思えるような業界にしていきたいですね。
清掃現場スタッフの声
清掃員 長田千宏様
第17回全国ビルクリーニング技能競技会
厚生労働大臣賞受賞
NTT WEST i-CAMPUSの現場管理を担当
私の担当するNTT WEST i-CAMPUSは、ワンフロアが1600㎡と広いので、RULO Bizのマップを200㎡ずつ、8つに区切り、2~4台のRULO Bizを曜日ごとに横にずらしてローテーションで床を清掃するようにしています。RULO Bizはよくゴミを吸ってくれますし、機械なので均一に清掃してくれて、人がやる時と比べて清掃品質にばらつきがないのが評価できますね。
ビル内で稼働しているRULO Bizは、すべて地下の事務所から遠隔で管理できるのも効率的です。毎朝、スタッフがタブレットで、前夜のRULO Bizの清掃状況を確認。何らかのトラブルで掃除できていない箇所があれば、人がフォローすることにしています。
清掃員は、RULO Bizのダストボックスからゴミを取り出し、軽くセンサーの周りを拭いて、所定の位置に戻す程度の作業で、日々のメンテナンスは終了。すぐにトイレや階段の清掃に取りかかれます。夜の間に専用部の広いエリアをRULO Bizが稼働し、朝には床清掃がすべて終わっているというのは、人手不足の中で大きなメリットですね。
清掃員の中には、導入当初は「自分たちの仕事が機械に取られてしまうのではないか」と感じた人もいたようでしたが、すぐにRULO Bizの運用に慣れ、「ロボットのおかげで清掃の負担が軽くなった」という声も上がっています。
会社概要
NTT西日本グループ テルウェル西日本 株式会社
NTT西日本のグループ会社として、高品質なビルメンテナンスサービスを中心にさまざまな事業を展開。技術や経験、ICTの力を活用し、『スマートビルメンテナンスのパイオニア』として、『快適・安心・安全』を提供すべく、研修や訓練を重ね、高品質なサービスを提供している。