ビジネスソリューション

TOUGHBOOK導入事例

公共・サービス業編-Public-

  • 導入機種頑丈5.6型PC TOUGHBOOK CF-U1
  • 用途災害時リアルタイム映像中継システム

岩手県岩手郡葛巻町役場様

あらゆる状況下でも対策本部に現場映像を
FOMA回線を通じて送信するTOUGHBOOK CF-U1

「ミルクとワインとクリーンエネルギーの町」岩手県葛巻町。酪農と林業に加えて風力や太陽光などのクリーンエネルギーを起爆剤として町おこしを行っている、注目の自治体です。同町が災害対策に本格的に取り組むきっかけになったのは、平成18年に起きた豪雨災害でした。そしてその対策の一部として導入されたのが、TOUGHBOOK CF-U1を使った、リアルタイム映像中継システムです。

  • 使用イメージ

納入先プロフィール

[納入先]
岩手県岩手郡葛巻町役場様
[所在地]
岩手県岩手郡葛巻町葛巻16-1-1
[ホームページ]
http://www.town.kuzumaki.iwate.jp/
[システムご担当]
株式会社NTTドコモ
https://www.nttdocomo.co.jp/
株式会社ソリトンシステムズ
http://www.soliton.co.jp/
クリーンエネルギーで町おこしをはかる葛巻町役場

酪農、ワイン、クリーンエネルギーで全国の注目を集める

岩手県の中部に位置する葛巻町のキャッチフレーズは「ミルクとワインとクリーンエネルギーの町」。明治25年にホルスタイン種を導入して以来の歴史を誇る酪農は、現在では東北一といわれるほどに成長しています。

ワインも町の特産です。町の面積全体の約86%を占める森林に自生する山ぶどうに着目し、昭和61年にワイン工場を建設。そこでつくられる「くずまきワイン」は、日本全国に多くのファンを持っています。

そして、葛巻町を象徴する第三のキーワードが「クリーンエネルギー」。福島の原発事故以来、注目が集まっているクリーンエネルギーですが、そのずっと前から取り組んできたのが葛巻町なのです。

「平成11年、葛巻町は新エネルギー宣言を行いました。15基の風力発電と中学校に太陽光パネルを設置したのをはじめ、ペレットストーブの普及、廃材から出る木質のバイオマスを使った発電プラント、畜産の糞尿を利用した発電プラントなど、クリーンエネルギーや再生可能エネルギー関連の施設が、町内にひととおり揃っています。これらのクリーンエネルギーによって、約160%以上の電力自給率を実現しています」(葛巻町 総務企画課 総合政策室 企画商工係長 波紫徳影様)

こうした地道な取り組みは、徐々に注目されるところとなり、人口約8000人の葛巻町に、年間50万人を超える人々が視察や体験学習に訪れるまでになりました。

  • 波紫徳影 様

    葛巻町 総務企画課 総合政策室 企画商工係長 波紫徳影 様

平成18年の災害と地デジ対応を背景に、情報基盤整備に着手

葛巻町が、頑丈パソコンTOUGHBOOK CF-U1と携帯電話回線を使った映像中継システムを導入するきっかけとなったのは、町始まって以来の大規模な災害でした。

「平成18年10月、町をゲリラ豪雨が襲いました。河川が氾濫し、道路が寸断されて、被害総額は40億円を超えました。そのとき、葛巻町初となる避難勧告を出したのですが、当時は住民に対して情報を一斉に伝達する手段が整っていませんでした。サイレンも独立式だったので、地区の管理者に電話で連絡をして、個別に鳴らしてもらう仕組みでした」(波紫様)

また、当時は地上デジタル放送への対応も課題の1つでした。葛巻町はテレビの難視聴エリアで、住民の9割がテレビ組合に加入し、山頂に立てたアンテナからケーブルを引いてテレビを視聴する状況だったのです。

そこで、町では総務省に働きかけ、平成19年に「市町村にとって必要な情報基盤を調査・研究するモデル事業」の採択を受けます。そして、その成果を受ける形で、平成20年度から3カ年計画で情報基盤の整備がスタート。平成20年、21年で地域イントラネット基盤を整備し、22年に地デジ対策として各世帯まで光ファイバーが引かれました。

同時に町内47カ所に光ファイバーで接続された屋外スピーカーを設置し、一斉放送仕組みを構築。さらに、道路や河川の監視用に11基のWebカメラも設置しました。ただし、Webカメラで見られる範囲は限られています。そこで、災害発生時に現場に駆けつけ、映像をリアルタイムに見られる仕組みが検討されました。そこで採用されたのが、ソリトンシステムズが開発したSmart-telecasterIIとTOUGHBOOK CF-U1でした。

  • TOUGHBOOK CF-U1を肩から提げて、片手でビデオを操作して撮影

    TOUGHBOOK CF-U1を肩から提げて、片手でビデオを操作して撮影できます。ヘッドセットで受信側と音声によるコミュニケーションも可能です。

受信側にもFOMAを搭載。あらゆる状況下で映像中継できるシステムを構築

導入されたシステムは、撮影側に使われるCF-U1とハンディタイプのビデオカメラのセットが2組、受信側として使うノートパソコンが1組という構成です。

CF-U1とビデオカメラには予備のバッテリーが常備され、いつ持ち出しても長時間の撮影ができる準備が整えられています。

ビデオカメラの映像は、撮影と同時にCF-U1に送られ、リアルタイムに圧縮されてからNTTドコモのFOMA回線で送信されます。受信側のノートパソコンもインターネットに接続され、送られてきた映像をリアルタイムで表示できる仕組みになっています。

「CF-U1なら、PCを肩から提げたまま片手でビデオカメラを操作できますので、操作性はまったく問題ありません。また、防水や防塵対策も万全ですから、安心して利用できます」(波紫様)

もちろん、送信側と受信側は音声による双方向のコミュニケーションも可能。受信機のある対策本部から現場に対して指示を出したり、現場から生の映像と音声で情報を伝達したりすることができます。

葛巻町のシステムの特長は、受信機側にもFOMA回線が用意されていることです。

「災害時に、被災現場のリアルタイム映像を災害対策本部に送ることを目的としてSmart-telecaster IIを導入したのですが、現実の災害では、役場が本部になるとは限りません。役場自体が被災したら対策本部を別の場所に置く必要がありますし、現地対策本部が必要になるケースもありえます。そのとき有線にしか対応していないと、せっかく撮影した映像を受信できない可能性があります。それを避けるため、受信側にもFOMA回線を入れることにしたのです」(波紫様)

  • Smart-telecaster IIの画面

    Smart-telecaster IIの画面。受信側では最大10個の画像を同時に表示し、そのうちの1つを拡大表示できます。

  • TOUGHBOOK CF-U1

    120cmの落下試験を実施しているTOUGHBOOK CF-U1。快晴の屋外でも視認できる半透過型液晶を搭載しています。

  • FOMA回線を通じて送信

    撮影した映像はTOUGHBOOK CF-U1でリアルタイムに圧縮され、FOMA回線を通じて送信されます。

  • 送信と受信に必要な機材一式

    送信と受信に必要な機材一式。TOUGHBOOK CF-U1とビデオカメラは、2組用意されています。

衛星電話との連携も視野にさまざまな活用方法を模索

幸いにして本システムが活躍するような災害はまだ発生していないのですが、いざというときに備えて、月に一度は試験が実施されています。つい最近も町のイベントに持ち出して、ライブ中継が行われました。

「たまたま同じ日に、異なるイベントが3つの会場で実施されたので、各会場に機材を持ち込んで試験しました」(波紫様)

さらに波紫様は、本システムの災害時以外の活用方法についても語られています。

「町でケーブルテレビを運営しているのですが、本システムで撮影した映像をそちらで流せないかとも考えています。FOMA回線だと伝送量が限られるので画質に限界はありますが、ロケ用には十分活用できると思います。また、一般職員に撮影機材を持たせて住民のお宅に伺い、役場の保健師とつないで健康相談を実施したり、救急車や消防車に載せて病院と結び、救急処置に役立てたりするなど、さまざまな可能性があると思っています」(波紫様)

現在はNTTドコモと共同で、衛星電話とSmart-telecaster IIの組み合わせが検討されています。実は、葛巻町におけるNTTドコモのカバー率は世帯レベルでは90%以上ですが、面積では50%に達しません。このため、電波の届かない山間部での災害を想定し、衛星電話を使った映像配信も検討されているのです。

災害はいつ、どこで発生するかわかりません。そのため、現場で使用される機器には、過酷な状況でも確実に動作することが要求されます。TOUGHBOOK CF-U1は、葛巻町の災害対策の確実な戦力といえるでしょう。

  • 受信側のパソコンにもFOMA回線を装備

    受信側のパソコンにもFOMA回線を装備。パソコンの横にあるのはマイク付きのスピーカー。

※図をクリックで拡大表示

システム図

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(2011年9月)

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