各務原市教育委員会

2015年9月
岐阜県各務原市

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準備期間は2年間!慎重に機器を選定し、電子黒板などICTシステムを全小中学校・全クラスに導入準備期間は2年間!慎重に機器を選定し、電子黒板などICTシステムを全小中学校・全クラスに導入

導入の経緯

各務原市では2015年9月1日、市内の小中学校全25校、457学級全てに電子黒板などのICT機器を導入されました。その経緯について、各務原市教育委員会様にお話を伺いました。

子どもたちにとって効果的な学校ICT化のあり方を検討

学習指導要領で情報教育やICT機器の活用など『教育の情報化』の充実が求められるなかで、各務原市教育委員会様は、子どもたちに確かな学力の定着と豊かな心の育成を図るために、2013年から2年間にわたり、効果的な『学校ICT化』のあり方を検討されてきました。小中学校4校で行われたモデル事業では、学校現場や子どもの実態に即した適切な機器の選定などが慎重に行われたといいます。「子どもたちにとって、より"分かりやすい授業、学びやすい環境"をつくっていくために、機器の操作性、即時性などの機能面の確認や効果的な指導法の研究、また、望ましい機器の配置環境の検討など、日々の授業実践を通して学校現場の声を聴きながら試行錯誤してきました。」と当時を振り返られます。
―このモデル事業で検討された結果、黒板と併用可能なスタンド式のディスプレイ一体型の電子黒板が採用されました。

各務原市におけるICTシステム導入の主な流れ

  • 2013年:小中学校モデル2校に電子黒板機能付きプロジェクターを導入。 ICTシステムとして、タブレットPC、書画カメラ、デジタル教科書も導入。
  • 2014年:小中学校モデル4校にディスプレイ一体型電子黒板を導入。ICTシステムとして、タブレットPC、書画カメラ、ぼうけんくん、デジタル教科書も導入。
  • 2015年:小中学校全25校、457学級全てにディスプレイ一体型電子黒板、パソコン、書画カメラ、ぼうけんくん、デジタル教科書を導入。

動画など手作りの教材を電子黒板に映し出し、子どもの興味、関心を喚起。教室では活気にあふれた授業が展開されていた。(那加第二小学校)

(鵜沼中学校)

部屋を暗くする必要がないため、黒板との併用が可能。従来からの授業スタイルにICT機器を効果的に組み合わせることで、子どもたちの理解をより深めることができる。(鵜沼第二小学校)

全ての学校の全ての子どもたちに同じ教育環境を整備することを重視

モデル事業では、機器の使い勝手だけでなく、学習に対する子どもの興味、関心や理解を導くための補助的機能としての有効性が確認できたとのことです。また、子どもたちが電子黒板を使って発表することで仲間と交流しやすくなり、思考力・表現力の育成やコミュニケーション能力の向上にも効果が確認されました。こうした検証結果から、操作性に優れ、授業などのツールとして有効に活用できる電子黒板や書画カメラ、デジタル教科書、デジタルビデオカメラ「ぼうけんくん」を全ての学校の全ての子どもたちが活用できるよう整備されることになりました。

運用面や操作面を徹底的に追求

「全ての教員や子どもたちが無理なく、容易に扱うことができること」これが、各務原市教育委員会様のICT機器導入にあたっての重要なポイントでした。専門的な知識や技術が必要であったり、一部の教員しか使いこなせなかったりでは、授業を停滞させてしまいます。そこで、全校導入の前に、機器やシステムの使いやすさを徹底的に追求されました。例えば、利用頻度の高いコンテンツをアイコン化し、電子黒板上で"NAVIメニュー"として表示。全ての学校のトップ画面を統一されました。学校現場からは「Windowsのトップ画面に比べて使いやすい」「どの教室も同じ画面が立ち上がるので戸惑うことがない」といった声があがっています。また、操作に困ったときは"強制終了"ボタンを押し、"NAVIメニュー"ボタンを押せばトップ画面に戻ります。そんな安心感がICT機器に不慣れな先生方にも受け入れられた理由であるとのこと。さらに、校内のネットワークの"教材フォルダー"も特徴的。先生方が、このフォルダーに自作した教材などを格納しておくことで、誰でも、どの教室からでも、その教材を利用することができます。

電子黒板専用キャビネットも各務原オリジナル

より安全なものに、より扱いやすいものにとの思いから、電子黒板のキャビネットにもオリジナリティが見られます。段ボールを使ってサンプルをつくり、サイズや形状などを工夫されました。また、電子黒板とパソコンの電源の連動も工夫されたことのひとつ。キャビネット内に収納されたパソコンの電源を入れると、電子黒板が立ち上がり、電子黒板のメニュー画面から"パソコン終了"アイコンを押すと、電子黒板とパソコンの電源がOFFできるようになっています。そんな簡単操作が、先生方の準備や後片付けの省力化と、スムーズな授業の切り替えに役立っています。


各務原市教育委員会様の創意工夫が反映されたキャビネット。書画カメラでの撮影ができるように幅と高さを確保し、感度がよくなるよう白色にした。子どもが足をかけて転倒しないような構造を考案し、角をゴムでおおって接触によるケガも予防。

電子黒板の活用について

朝は教室に入ると同時に電子黒板のスイッチをON!

各務原市立那加中学校 校長
加藤 勝祥 様
(各務原市 小中学校長会・会長)

各務原市立那加中学校 校長 加藤 勝祥 様

2年間のモデル事業で慎重に研究を重ね苦労してきた分、電子黒板をはじめ操作性に優れた機器がタイムリーな形で配備されたと感じています。モデル校として携わった本校においては、まずは積極的に使用することで“習うより慣れろ”と、朝の会、帰りの会、生徒会の時間など、教科授業以外にも使用を勧めてきました。電子黒板に日課表や今日の一言、ストップウォッチなどを表示し、生徒たちとともに確認するといった日常使いが『拡がり』の第一歩。そのため、私は「朝、教室に入ったら、まず、電子黒板の電源を入れなさい」と言ってきたのです。教科の授業では、デジタル教科書はもとより自作の教材を使ったり、電子黒板を前に生徒自身が書画カメラやぼうけんくんを使って自分のノートを映しながら発表したりする姿が日常的に見られます。子どもたちからは「教科書にない資料が多くあって分かりやすい」「みんなの考えが良く分かるし、意見の交流がしやすくなった」といった声も聞いています。
今後も市内全体の教育水準の向上を図るため、学校間の交流や連携を深めていきたいと思います。

予想以上の利用に確かな手ごたえを実感

各務原市立川島中学校 教諭
木村 哲也 様
(昨年度までは、各務原市学校教育課指導主事)

各務原市立川島中学校 教諭 木村 哲也 様

私は昨年、教育委員会に勤務してICT導入に携わったのですが、学校の先生方に無理なくスムーズに機器を使ってもらえるよう、導入前の夏休み中に基本操作やデジタル教科書の研修会を積極的に開催しました。先生方も熱心に参加され、その甲斐もあって夏休み明けには、全小中学校の全学級で電子黒板等を使った授業を一斉にスタートすることができました。そして導入1か月後に行った調査では、1週間の内の半数以上の授業で電子黒板が利用されるとともに、どの年代の教員にも利用されている結果が出ました。2年間のモデル事業の成果を手ごたえとして感じた瞬間でした。
今年から川島中学校に赴任し、電子黒板の利用がさらに浸透されていることを実感。特に、本校での教材フォルダーの活用は予想以上で、多くの自作コンテンツが作成され、教員間で共有されているのです。電子黒板を通して視覚的にうったえるデジタルコンテンツは、生徒の集中力を高めますし、教員も生徒の表情を見ながら授業を展開するのに有効です。今後は、自分自身が電子黒板のより効果的な利用法を追求していきたいと考えています。


生徒が書画カメラやぼうけんくんで自分のノートや資料を電子黒板に映しながら発表。調べてきたことなどが伝わりやすくなり、意見交換も盛んに。(那加中学校)

視覚的に訴えることで理解度、集中力がアップ。しかも、使いやすいため積極的に活用されている。(鵜沼第一小学校)

ご好評いただいた、文教用デジタルビデオカメラ「ぼうけんくん」

かんたん操作の文教用
デジタルビデオカメラ
ぼうけんくん

デジタルハイビジョン
ビデオカメラ
HC-BKK1


見せたい場面を静止画にして赤ペン・青ペンで線や文字を書き、電子黒板に映して説明ができます。

ぼうけんくんで、生徒のノートを撮影し、電子黒板に伝送。模範となる生徒のノートをすぐに全員に共有できる。(那加中学校)

導入を終えて

子どもが明日も行きたい、保護者が明日も行かせたい学校に

各務原市教育委員会
総務課主任主事(ICT導入担当)
毛利 伸拓 様

各務原市教育委員会総務課 主任主事 毛利 伸拓 様

ICT機器は、子どもたちの学習効果を高めるひとつの道具だと思っています。機器を導入したからといって、それが有益に使われなければ、ICTを推進する意味がありません。教育委員会としては、全ての先生が授業などで効果的に機器を取り入れながら、指導力の向上が図られるよう、今後も研修会や情報交流などの機会を充実していいきたいと考えています。
授業などをより充実し、子どもたち一人ひとりが学ぶ喜びを実感できるようにしていくことで、各務原市が進める『子どもが明日も行きたい、保護者が明日も行かせたい学校』づくりにつながっていくのではと思います。

校内放送や校務効率化にも活用を

加藤校長先生が勤務されている那加中学校では、全教室の電子黒板に校内放送を一斉配信する試みを実施されています。ただし、現在は記録したコンテンツの配信に限られており、今後リアルタイムでのライブ配信ができたらと意欲的です。「例えば、学年単位で一斉授業を行ったり、生徒会がお昼に全校に向けて情報発信をしたり、さらには学校間をネットワークでつないで他校と交流したりと、教育活動の幅が広がるのではないかと期待しています。」と先を見据えておられます。 一方、木村先生は「教材の共有化が他校とのあいだでも実現できれば、技術や家庭科などの先生が少ない教科でも、有益に働くのではないか。また、電子黒板などのICT機器により会議や校務の効率化が進めば、子どもたちと向き合う時間を今以上に確保できる」と提案しておられます。 ICTの可能性はいま広がりはじめたばかりです。


家庭科の裁縫の授業では縫い方を書画カメラで電子黒板に映しながら指導。こうした動画を教材として他校と共有できれば、先生たちの負担の軽減と授業のより充実化が図れると期待されている。

各務原市教育委員会 様

誇り・やさしさ・活力のある児童生徒の育成

未来を担う子どもたちのために、子育てと教育分野に力を入れておられる各務原市。「心豊かでたくましく、自立した人間形成を支える教育の推進」を学校教育における基本方針に、「誇り・やさしさ・活力のある児童生徒」をめざし、一人ひとりが幸せを実感できる学校づくりに取り組んでおられます。

●URL  各務原市教育委員会
●所在地 岐阜県各務原市那加桜町1丁目69番地


各務原市教育委員会(産業文化センター)

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