８月１２日、オリンピック史上初の「３Ｄオリンピック」第30回オリンピック競技大会（以下、ロンドンオリンピック）が大きな感動と共に終幕しました。パナソニック株式会社は、国際オリンピック委員会及び国際放送機構（ＯＢＳ）と技術パートナーシップを結び、「３Ｄオリンピック」の実現に貢献してまいりました。

ロンドンオリンピックでは、パナソニック株式会社が開発・製造した放送用３Ｄカメラレコーダー「ＡＧ−３ＤＰ１」18台^※が、合計230時間を超える３Ｄ放送のカメラとして、開会式、閉会式、陸上競技、体操、カヌー、水泳、ダイビング、シンクロナイズド・スイミング、ウォーターポロ、バスケットボール、ビーチバレー、ボクシング、馬術、柔道、自転車競技、レスリングなどの撮影に活用されました。

従来の2台のカメラを組み合わせ使用するリグ式３Dカメラと異なり、1台のカメラに2つのレンズとセンサーを持つ一体型二眼式３Ｄカメラレコーダー「ＡＧ−３ＤＰ１」はＯＢＳの３台の３Ｄ用ＯＢバンに搭載され、複数台のカメラによるマルチカメラシステムのカメラとして、従来型のリグ式の３Ｄカメラと混在して使用されるとともに、６式のＥＮＧクルーにより従来型のリグ式３Ｄカメラでは撮影できないような機動力を求められる競技の撮影で活躍しました。

ＯＢＳのマノロ　ロメロ会長は、「ＡＧ−３ＤＰ１は、これまでの２Ｄのカメラと同じような機動力で撮影できたことが素晴らしかった。しかし、それよりも驚いたのはマルチカメラシステムの中でその操作性と映像品質が遜色なかったということだ。３ＤＰ１の機動力が無ければ、これほど多くの３Ｄ映像を届けることは難しかっただろう。」と初の３Ｄオリンピックの実現のためには「ＡＧ−３ＤＰ１」が必要であったと話しています。

オリンピックの３Ｄ映像は英国ＢＢＣ、中国ＣＣＴＶ、イタリアSKY Italia、オーストラリアChannel9、フランスTV、米国NBC、Eurosportなど世界中で放送され世界中の人々に３D映像による臨場感と感動を与えました。放送機材の開発・製造を担当するパナソニック株式会社AVCネットワークス社プロフェッショナルAVビジネスユニットビジネスユニット長宮城邦彦は「世界初の３Dオリンピックで当社カメラ及び技術が貢献できたことを誇りに思います。今後は、失敗の許されない過酷な条件の中で培った実績とノウハウをより多くのお客様にお届けしたいと思います。」と３Dコンテンツ市場の拡大にこれまで以上に貢献していきたいと語りました。

※OBSでの使用台数

AG-3DP1：
AG-3DP1は、3D映像の撮影・制作に革新的なソリューションをもたらした一体型二眼式3DカメラレコーダーAG-3DA1の利便性を、さらに本格的なハイエンドの3D映像収録に拡げる、P2HDシリーズの一体型二眼式3Dカメラレコーダーです。ワイド／テレ両側にレンジを拡げた新開発17倍二眼式ズームレンズは幅広い用途に応える画角が得られます。高感度・高解像度220万画素1/3型3MOSセンサー、そして高画質AVC-Intraコーデックの組合せにより1920×1080フルピクセル・10 bit 4:2:2フルサンプルの高画質3D収録を実現。マルチカメラ同期とカメラ延長システムに対応、VFR（バリアブル・フレームレート）機能^※などハイエンドニーズに対応。スポーツ中継から映画制作まで幅広いシーンで、リグ式カメラに代わるメインカメラとして、高品質な3D映像収録を一体型二眼式カメラレコーダーならではの運用性・機動性でサポートします。

※ AG-3DP1では、バリアブル・フレームレート機能は720pモード時のみサポートします。