小田茂博氏(ピクト撮影・照明センター/撮影部次長):撮影からポストプロダクションに至るまでは、様々な手続きや、伝達事項があり、制作会社が頭を悩ますところ。その連絡系統を一本化しフォローできれば、クリエイティブな面に時間を費やすことができ、作品のクオリティアップにもつながるのでは。
技術者同士がコミュニケーションを密にすることで、意思の伝達がスムーズになり、撮影現場での狙いや意図が、より編集作業に反映されるようになります。例えばカメラマンやVEが求める色調整や合成などについて、ポストプロダクションでより深く理解し、的確に作業することができる。また撮影・照明スタッフとエディターが双方の撮影・作業を知ることで、クオリティの高い映像表現が生まれてくるのではないでしょうか。 西氏:技術的なアドバイスにしろ、何かトラブルが起こったときのフォローにしろ、最終的に大事なのは機材やシステムではなく、人とのつながりだと考えています。生身の人間がきちっとコミュニケーションすることによって、あらゆることに的確かつスムーズに対応していくことができる。そのために大切にしているのは、[HDm.]に携わるスタッフそれぞれの「顔」を見えるようにすること。それが、このマネジメントシステムを利用して下さる制作会社の方々にとって、何よりの安心感につながると思っています。
[HDm.]では「人」と「コミュニケーション」を重視しています。その一つの例が[HDm.]のロゴマーク。HDm.は「unit for High Definition Television Shooting and editing management」の略なんですが、「HD」に比べて「m」の方が文字が太い。これは、機材やHD規格を、人とのコミュニケーションによっていかに管理していくか、いかに一番いいカタチにしていくか、という“マネジメント”が一番大事だということを表しています。