フォックスTVスポーツシリーズ『栄光の向こう側』、AJ-SDX900で撮影(アメリカ)


 有名な撮影監督Josef Nalevansky氏は、パナソニックのDVCPROカメラレコーダー[AJ-SDX900]を購入、アメリカ・フォックススポーツネットのテレビ番組「栄光の向こう側」のメインカメラとして使用している。「栄光の向こう側」は高い評価を得ているドキュメンタリーシリーズで、製作はNalevansky氏がクリエイティブ・ディレクターを務めるカリフォルニア州ロサンゼルスのレッドスカイエンターテイメントが担当している。
このドキュメンタリーは1時間番組で、毎週日曜日の午後9時(現地時間)から放映されているフォックススポーツネットの最高視聴率番組。2004年3月14日から第4シーズンが開始し、今年度はすべてオリジナルの内容を放送している。同番組は、競技場から離れたアスリートの姿をAJ-SDX900が持つ独自の映像で捉えるとともに、過去の映像やインタビュー、これまでの実績などで構成されている。第4シーズンでは、ドノヴァン・マクナブ、トニー・ドーセット、ケヴィン・ガーネット、レジー・ミラー、グラント・ヒル、ジョージ・フォアマンなど、さまざまなスター選手を取り上げた。

 Nalevansky氏:『栄光の向こう側』は長い間続いているシリーズですが、毎回かなり実験的で映画のような撮り方をしているのです。これまでの3年間、ドキュメンタリーBロ-ル、サイドラインBロール、人物のアップ映像、ロケ撮影など、番組のほとんどをフィルム撮影してきました。もちろんフィルム現像やテレシネやレンタルなど、あらゆるコスト削減に努めてきましたよ。一度デジタルビデオも使ってみたんですが、期待はずれでしたね。光の具合など、正直まだまだデジタルでは難しいと思いました。
その後でAJ-SDX900 をデモする機会がありました。フィルムのように露出を調整できると謳われていたのですが、まさにその通りでした。カメラマンは露出をコントロールするのが仕事だと思っていますから、そこは重要です。ゾーンシステム(写真技術)によく似た感じで、コントラストのレンジも広く、500 ISO タングステンフィルムを使って撮影しているみたいでした。NTSC放送したときにどうなるかと思っていましたが、フィルムとの違いはほとんどわかりませんでしたね。
これまでインタビュー映像に使っていたベータカムでは演色が難しかったんですが、SDX900はビデオでは無理だった肌色の諧調を広めにとることができるので、感覚的に露出を調整できるようになりました。あらかじめ露出をアンダー気味にして全体の色や色調を損なわないようにしなくても済むんです。

 Nalevansky氏は番組全体の監督だけでなく、各シーズンのほとんどの撮影監督を務めており、現在撮影はAJ-SDX900だけで行っている(「栄光の向こう側」は16:9の24pモードで撮影)。

 Nalevansky氏:SDX900はフィルムと同様に撮影できます。演色だけでなく、フィルム並みのシャープさがあり、オリジナルBロールの音響も手軽に付けられる。音響は番組の質をぐっと上げてくれる大事な要素です。DVCPRO テープの一箱のコストさえあれば、フィルム風のインタビューを撮影し、音響を自由に編集できる。アスリートの日常生活に密着して、より真に迫ったドキュメンタリー番組を作ることができる。こんな風に撮影するのは、これまではとても難しかったんですよ。
このカメラは本当にタフで、いつもちゃんと働いてくれるんです。湿気のすごいシカゴの夏、アイダホの氷雨など、過酷な状況下で撮影をしなくてはならないときでも、まったく問題なく動いてくれました。
オフライン編集は5つのAvid Meridienシステムで、オンライン編集はAvid Symphonyで行いました。ベータカムSP やデジタルベータカムで撮った過去の映像や試合の映像をSDX900映像と組み合わせるのはいたって簡単なんです。オンライン編集するためにデジタル化して、どんな画面にするかを編集担当と一緒にただ考えればいいんです。
Avid Symphonyは優秀な色補正ツールで、12のプリセットはかなり使える。これさえあればほとんど万能なんです。編集してみて、SDX900のダイナミックレンジの実力を目の当たりにしましたね。いくら色補正しても耐える寛容度なんてまさにフィルム並みです。画質もいいけれど、実際テープ間の色補正のコストが丸々削減できた。1時間あたり300~600ドルの節約になりました。
レッドスカイはフォックススポーツの新番組の製作も担当することになりました。サマー・サンダース氏がホストを務める、月曜日から金曜日の30分の番組「スポーツリスト」です。

 「スポーツリスト」は、カウントダウン形式で、有名アスリートたちの意見を集め、試合の瞬間や選手やプレーのベストとワーストをそれぞれリストアップする番組だ。

 Nalevansky氏:SDX900で4:3 60iで撮影しています。毎日放送があるので、ビデオっぽい、今撮ってきたような映像で作りたいと思っています。「スポーツリスト」も『栄光の向こう側』も、AJ-SDX900が一台あればそれぞれにあったスタイルで撮影できるのは理想的ですね。