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Liz Mermin監督の『カブール美容学校』がニューヨ-ク・ダウンタウン近隣で行われたTribeca映画祭のドキュメンタリーコンテストで世界初公開された。極度に虐げられながらも美しく生きる女性を記録した意欲作で、ノーブルエンタープライズ(ニューヨーク州ニューヨーク)製作、リンダ・ホール氏が撮影監督を務め、撮影機材に[AJ-SDX900]を使用し、アフガニスタンで撮影された。 『カブール美容学校』は、アメリカ人とアフガニスタン系アメリカ人の2人の女性ボランティアがアフガニスタンに渡って美容技術を教えるという、稀な文化交流を描いた74分間のドキュメンタリー作品。アフガニスタンの首都カブールではこういった交流が密かに行われていて、多くの希望者が殺到したため、抽選で選ぶことになった。応募者のほとんどは長年悲惨な生活を強いられている女性たちで、彼女たちが自信を身につける過程を記録したストーリーとなっている。作品の中では、アフガニスタンとアメリカの女性たちが交流することによって友情が国境を越え、そして両者が癒され、精神的に変化していく様子が描かれている。 監督のLiz Mermin氏 は、主にニューヨークで活躍する監督兼プロデューサー兼エディターで、Jenny Raskin氏と共同製作した彼女の初ドキュメンタリー「敵地にて」(1999年)はサンダンスチャンネル(CATV)での放送に先駆けて劇場公開された。最近のTV作品にはABCのワールドトレードセンター攻撃の一周年記念番組「グラウンド・ゼロからのレポート」(製作と編集を担当)、テレビの有名人のファンの姿を追いかけた「駐車場」(全6回/編集と製作を担当)などがある。 Mermin氏:タリバン後のカブールにアメリカが建てた美容学校の話を聞くまで、アフガニスタンについてほとんど知らなかったし、美容学校なんてもっと縁がなかったけれど、非常に魅力的なテーマだと思いました。話題性があって映像的な魅力もあるし、なにしろ理解するべき世界の話だと感じたんです。アフガニスタン女性は「虐げられ、引きこもり、苦しんでいる」というイメージがありますが、それはほんの一部で実際は違いましたね。悲惨な状況と貧困に苦しんでいるのにヘアメイクを真剣に学んでいる姿には、初めは抵抗がありました。戦争が日常生活の楽しみさえも奪っているということなんです。
Mermin氏と共同プロデューサーを務めるNigel Noble氏がAJ-SDX900で撮影することを決めた。
Mermin氏:美容学校の話なので、映像も美しくなければと思ったんです。いかにもビデオ、という画面にしたくなかった。いくつもバージョンを作る予定だったので、TV用の撮影で進めて、撮り終わってからフィルム風に加工するのも避けたかった。SDX900だと風景の細部まで撮れるし、現場の光やほこり、色などもちゃんと撮影してくれる。16:9に対応しているのも決めた理由です。 Noble氏:この作品では、“カメラが潜入風”のありがちなスタイルでなく、まるでシナリオのある演劇のような作品にしようと思いました。TV放送だけでなく劇場公開の可能性もあったので、24pで作ることにしました。初めは[AG-DVX100]を考えていましたが、アフガン社会が舞台だとほとんどカーテンの閉まった暗いところで撮ることになると思い、レンジの広いものがいいということになったんです。