AG-HPX555活用事例

「AG-HPX555」のワークフローとクオリティが好評レギュラー番組の増加に貢献

株式会社 テレビシティCBC「極上の逸品」

 撮影技術からテレビ番組・CM等の制作、ポストプロダクション業務を展開するテレビシティは、2007年10月19日から中部日本放送(CBC)で放送を開始した「極上の逸品」(毎週金曜日あさ5:00~5:30)のHD制作を行っている。これまでの通販番組とはひと味違う「極上の逸品」(通称:ゴクイチ)は、メモリーカード・カメラレコーダー“P2cam”「AG-HPX555」で撮影。テレビシティでは、撮影から編集までのテープレスワークフローを確立している。

 番組はアクティブシニア世代をターゲットに、コンセプトを“生活を「楽しく」「ちょっと贅沢に」”として、スタッフが選び抜いた“ゴクイチ”な商品を紹介する通販番組。スタジオで単に商品を紹介するのではなく、作り手のこだわりをドキュメンタリータッチで紹介したり、実際に商品の使用感をレポートするなど、「AG-HPX555」で取材した素材を活かした“情報通販番組”となっている。

 テレビシティでは、撮影現場には「AG-HPX555」とともに、メモリーカード・ポータブルレコーダー“P2 gear”「AG-HPG10」、画像チェック用のノートPCをセットにしたロケセットを持ち込んで取材を行う。P2カードは、「AJ-P2C016RG」(16GB)×17枚を導入。社内には、メモリーカード・ドライブ“P2 drive”「AJ-PCD20」×2式を設置し、PCに撮影データを転送するとともに、Blu-ray ROMでデータのバックアップを作成する。

撮影風景 オフライン編集室
ロケセット:“P2 gear”「AG-HPG10」
P2 カード「AJ-P2C016RG」(16GB)
画像チェック用ノートPC
メモリーカード・ドライブ“P2 drive”
「AJ-PCD20」
オンライン編集システム

 撮影日の翌朝にはオフライン編集用の映像データをHDDに収録し、ラップトップ編集システムと一緒にディレクターに受け渡すことが可能なほか、カノープスのノンリニア編集システムを装備したオフライン編集室も設置。さらに高スペックのカノープスシステムを導入したオンライン編集室で完パケを作成、一貫したテープレス・ワークフローを実現している。

テレビシティ 常務取締役 姫野敬幸氏

 ■「ゴクイチ」では、通常のHDのパキパキした画ではなく、“しっとり”とした質感を求めていました。「AG-HPX555」の2/3型プログレッシブ3CCDは、画質/感度ともに評価が高く、メカもシンプルで故障も無い。まさにこの企画に適したカメラだと思います。

 ■P2の半導体メモリー記録は、常にこれまでのテープでのワークフローと比較されますが、実際に運用を開始してデメリットは全く感じていません。テープによるHD収録では、編集プロセスの効率の悪さ、特にデジタイズ時間の長さによるコストパフォーマンスの悪さが問題にされ始めています。当社はP2によるHD番組の制作を提案してきました。何よりもデータとしての再現性、取り扱いのしやすさ、劣化のない編集作業が大きなメリットです。

 ■P2カードへの収録では、ロケ当日の夜にはHDDへデータ転送し、Blu-ray ROMによるバックアップもとりながら、翌朝には仮編集に着手することが可能です。撮影から編集までのワークフローが確実に短縮されています。P2カードも当初、16G(HDで16分)では短いのではないかという懸念がありましたが、4スロットに収納されたカードのデータ(計64分)はシームレスにつながっており、カメラマンも全く違和感なく撮影できています。

 ■これからのポストプロダクションは、単に後処理だけをするだけでは生き残ることができないと考えています。常に変化していく市場にマッチしたニーズを、どう捉えていくかが重要だと思います。撮影から編集までのワークフローを短縮できただけでなく、オンライン編集は2マン体制で編集/テロップ挿入に対応し、ポストプロダクションとしてクオリティの高いオペレーションを提供できていると思います。この秋から本格的に稼働を始めた「AG-HPX555」のワークフローとクオリティは、お陰様で好評に推移しており、既に東海テレビ放送(THK)でも1時間特番の撮影、編集が進んでいます。とにかくディレクターでもカメラマンでも一度使われた方には、大変な好評を得ております。今後も、担当するレギュラー番組の増加につながっていきそうです。