AG-HVX200活用事例

“機動性に富み精緻な描写力のあるカメラ”ショートフィルム「ピンポンッ」

 映像配信サイト「短篇.jp」のオリジナルショートフィルム「One Day Movie」の1 編「ピンポンッ」は、DVCPRO HD P2 カメラレコーダー「P2handheld AG-HVX200」で撮影されている。 「One Day Movie」は映像制作業界のプロフェッショナルが、「1 日」をテーマに24 時間以内で撮影することを条件に制作する「短篇.jp」のショートフィルムプロジェクトで、同Web サイトで配信されたほか、これまで製作された「One Day Movie」計18 本をまとめたオムニバス映画「ハヴァ、ナイスデー」が2006 年10 月に劇場公開(レイトショー)された。 ショートフィルム「ピンポンッ」は、バスで帰宅途中の女子高生に届く、祖母の危篤を伝えるメールに端を発して展開する、思春期の少女の心情を瑞々しいタッチで描いた物語。監督は福岡芳穂氏、脚本はいながききよたか氏と福岡芳穂氏、撮影監督は小川真司氏(J.S.C.)がそれぞれ務めた。企画は本田昌広氏、プロデューサーは森川幸治氏、撮影協力はパナソニックDV ワークショップDU、制作協力はパノラマ、制作プロダクションはパイロン、製作は西鉄エージェンシー。 作業フローは、「AG-HVX200」× 1 台で4GB × 2 枚および8GB × 2 枚のP2 カードを併用し、720/24pNフォーマットで収録。撮影素材は、現場に持ち込んだiBookG4 に取り込んだほか、外付けHDD にもバックアップ管理した。収録データはDVCPRO HD テープに変換し、クロースタジオのAdrenaline HD で編集した後、シネマ・サウンド・ワークスでMA 作業を行い、HD 原版を作成。最終的にSD で納品した。

撮影監督を務めた日本映画撮影監督協会の小川真司氏

■「ピンポンッ」は、主人公の女子高生の揺れ動く気持ちを、いかに表情で見せていくかということが最大のテーマの作品。さらに、物語の主な舞台がバスの中ということもあり、機動性に富み、精緻な描写力のあるカメラが必要でした。加えて、主人公の表情とともに車窓に流れる景色をワンフレームでキレイに写し込むことも重要な要素でした。

■バスの車内といった限られた狭い空間で撮影を行う場合、最近では機動性などを考慮してミニDV カメラを選択するケースが増えてきましたが、その際ハイがどうしても飛び気味になってしまいます。そのため、微妙な光の調整などが必須の作業になってきます。その点、「AG-HVX200」は、こうした条件下でもハイコントラストな映像をキレイに収録することができました。ミニDV クラスの身軽さがありながらも、HD サイズのクオリティの高い、しっかりした描写力のある映像を撮影できることが、このカメラの大きな強みだと思います。

■また、P2 カードは720/24pN モードの場合、8GB のカード1 枚の収録時間は20 分ですが、「AG-HVX200」にはカードスロットが2 基装備されているため、2 枚のカードを順次差し替えながら長時間の連続記録が可能にっています。使おうと思えば、60 分テープどころか、120 分テープ、180 分テープが入っているようにも捉えることができます。

■そして、データロスの少ないDVCPRO HD コーデックに加え、撮影から仕上げまで、他のメディアを介すことなく、すべてをデータで管理、運用できるのが、最終的なクオリティの高さを保証してくれる。P2 システムは、メモリー記録という今までにない形態です。キチンとした理解と万全な管理、制作体制を整えることで、そのメリットを充分に引き出すことができます。今回、実際に使用した感想として、とても気に入りました。