取材・編集のHD VTRフォーマットとしてDVCPRO HDを採用

株式会社熊本放送様

DVCPRO HDの導入機材は、スタジオレコーダーとしてAJ-HD1700×7台およびAJ-HD1400×4台、カメラレコーダーとしてAJ-HDX400A×2台。2007年度内にはニュースサブの更新も計画しており、さらに導入が進んでいく。写真は取材用カメラレコーダーのAJ-HDX400A、制作サブに設置したAJ-HD1700×3台とTV第2編集室(リニア編集室)のAJ-HD1700×3台。

株式会社熊本放送様は、取材・編集のHD VTRフォーマットとしてDVCPRO HDを採用した。制作取材用カメラレコーダーとしてAJ-HDX400A×2台、スタジオレコーダーとしてマスター・コントロール・ルームにAJ-HD1700×1台、制作サブにAJ-HD1700×3台、制作用途のリニア編集室にAJ-HD1700×3台およびAJ-HD1400×1台、ノンリニア編集室にAJ-HD1400×2台、モニター室にAJ-HD1400×1台、中継車にAJ-HD1700×2台を導入した。さらに、2007年度内にはニュースサブの更新も計画しており、今後も段階的にDVCPRO HDを導入していく予定となっている。報道制作局制作技術部部長の板橋大介氏は「HD化にあたりVTRフォーマットの決定には、“品質”“コストパフォーマンス”“地元プロダクション等との互換性”という3つの要素を重視して検討し、DVCPRO HDは全ての要素に優位性がありました」と語っている。

“品質”と“コストパフォーマンス”を評価
2006年12月1日からの地上デジタル放送の開始に向け同社では、HD VTRフォーマットの決定について検証を行ってきた。SDにおいては他メーカーのフォーマットを採用していたが、HDフォーマットはDVCPRO HDの全面的な採用を決定したもので、当初2011年までの導入計画を大きく前倒しして、2006~2007年度に大幅な更新を行っている。報道制作局制作技術部部長の板橋大介氏は「採用にあたっては、DVCPRO HDの品質面とコストパフォーマンスを大きく評価しました。HDとしての画質評価と100Mであるという扱いやすさを総合した品質全体の評価と、導入コストや運用コスト、メンテナンス費用を含めたコストパフォーマンスに対する評価です。2006年度は制作関連のHD化を完了し、制作取材用カメラレコーダーとしてAJ-HDX400A×2台を導入したほか、制作用途の編集室としてリニア編集室×1室に加え、ノンリニア編集システムを4式導入し、編集のHD化を図りました。2007年度にもニュースサブのHD化を計画しており、それに伴って報道用カメラレコーダーの新規導入や、報道編集室のHD化を予定しています。これまでのSDでは、制作と報道で違うフォーマットを採用していましたが、異なるフォーマットの並行使用はメリットがありません。HD化を機に制作・報道は、DVCPRO HDフォーマットで統一していきます」という。

“地元プロダクション等との互換性”
「地元プロダクションとの互換性やノンリニア編集システムとの親和性も大きな要素です」とするのは報道制作局制作技術部部次長の佐藤雄一氏。「一部制作をお願いしている周辺のプロダクションにおいてもDVCPRO HDの導入が拡大しており、プロダクションとの連携を考えた場合、フォーマットの統一は大きなメリットになってきます。また、ノンリニア編集システムとの親和性や、今後のテープレス化を見据えた展開も考えていく必要があります。現在、制作用途のノンリニア編集システムとしてFinal Cut Proを4式導入していますが、ノンリニアで白完パケを作成し、リニアで完結するといったスタイルもできつつあります」(佐藤氏)

AJ-HDX400Aの多彩な収録サポート機能
また、カメラレコーダーAJ-HDX400Aの操作性に対する評価も高い。「取材から編集までオールHDで制作している『週刊山崎くん』でも2台のAJ-HDX400Aが大活躍しています。大晦日から2007年元旦にかけて開催された、熊本城築城400年祭オープニングのライティングイベントの取材では、AJ-HDX400Aのデジタルスーパーゲイン(フレーム蓄積モード)による高感度収録が威力を発揮しました。特に星空の撮影などでは、他のHDカメラと比較して画質に対する評価が高かったと思います。さらに、瞬間を収録していく報道分野では、プリRECなど多彩な収録サポート機能が活かされてくると考えています」(佐藤氏)。「また、駅伝等の取材では、ノンリニア編集システムとの親和性をより高めていくことを目的に、IEEE1394準拠のDVCPRO出力によるHDD収録といった検証も行っています。ワークフローの改善や今後のテープレス化を見据えた検証で、制作の効率化を図っていくものです」(板橋氏)。

フルHD制作を行っている
「週刊山崎くん」(毎週木曜日19時放送)の編集風景
P2HDの今後の展開にも注目
同社では2007年度中を目途に制作・報道系のHDフォーマットとして、DVCPRO HDで統一されることになる。板橋氏は「今後、ニュースが全てHDに移行していくことで、局内においては一定のHD化が完了することになります。ローカル局にとっては効率的なデジタル投資が必要不可欠であり、導入コストのみにとどまらない長期的な視野が必要だと思います。地元プロダクションとの連携に加えて、各放送局、特に九州地方ではDVCPRO HDの採用が増加していることも導入の要因の1つであると考えています。HD化の次はテープレス化だと思います。今後のP2HDの展開にも注目していきたいと考えています」としている。