納入リポート【株式会社宮城テレビ放送  様

ファイル化された映像素材は局内の端末から検索、プレビューが可能です

開局以来40年を超える宮城テレビ放送様では、蓄積された映像素材のストック方法は常に課題となっていました。とくに2011年の東日本大震災で、映像素材の数は一挙に膨らみました。震災の映像は最重要ランクに位置し、そのほとんどが永久保存に匹敵するものばかり。貴重な映像素材のストックとファイルベースの管理方法として、同社ではLTO方式によるパナソニックのプロフェッショナルアーカイブシステムを2014年2月に導入。現在2式のビデオインジェスターによるテープ素材のファイル化作業が進められています。

新たなシステムが導入されたライブラリー室では、人員はそのままに従来業務の中にアーカイブの作業を組み込むことができ、さらに作業の精度や効率を高めるための工夫が施されています。ファイル化された映像素材は局内の端末から検索することができ、さらに報道とは映像ファイル転送を行うための専用ネットワークを構築して、スピーディーな対応を確保しています。

2式あるビデオインジェスター装置 LTOバックアップ機能で、ファイル化も正・副2本のメディアに行っています

LTOアーカイブシステム LTOドライブ(右下)の上に設置されたパトライトは、エラーレート監視記録機能によりエラー発生を知らせます

開局以来の映像素材が収納されたライブラリー

報道の編集機とは映像転送専用のネットワークを構築

お客様の声

株式会社宮城テレビ放送
経営推進局 技術推進部

菅原 彩子 様

メディア選定を一番に考えて、LTOシステムを採用しました。
既存ライブラリーの体制下でファイルベース化の作業を進めることができています。

アーカイブシステムの選定にあたって一番に考えたのは、メディアをどうするかということでした。複数のメーカーからの提案には、LTOもあれば、HDD方式やBDなど、さまざまなメディアの活用があがりました。

その中でLTOによる方式を採用した理由は、保存メディアとしての実績や、ロードマップがしっかりと公開されていること。そして、容量当たりのコストが安価であることでした。既存の映像ライブラリーの登録・検索システムをパナソニックさんに構築してもらっていたこともあり、同システムとの連携や運用開始後の保守管理の面など、今後を見きわめた上で採用を決定しました。実際、システムが導入された翌週にはアーカイブの作業を開始でき、その後もきめ細かな対応をいただけたことがスムーズな運用につながっています。

従来のテープベースのライブラリーでもパナソニックの登録・検索システムによる棚管理を進めていました。一定の作業フローができていたところに新しいシステムが入った訳ですが、そのための人を増やしたりしたくはないので、人手を掛けないやり方を提案していただきました。

2式あるインジェスターそれぞれにQC(クォリティチェック)装置を配したり、エラー発生を知らせるパトライトを設けたり、通常業務の中でも新たな作業や、緊急時の対応ができるようにしました。また、映像のアーカイブに対応した機能にも助けられています。VTR再生時のエラーレート監視記録機能(パトライト連動)や、区間の設定・実行・編集が容易なリトライ機能が、むだのないスムーズなファイル化作業につながっています。

ファイル化された映像素材は、LANを通じて局内の各端末から検索できます。素材の活用は、報道の場合はネットワークでファイルを活用できる方式を構築。その他の部門では、専用のUSBメモリーにコピーする方法を取っています。今後は、局内各部門で映像素材の有効活用を図っていくための流れをさらに固めていきたいと考えています。

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