納入リポート【株式会社テレビ朝日 様

2台の大型モニターへ映し出されるマルチビューアーの画面

株式会社テレビ朝日様の多彩な番組の中で、ドラマとバラエティ番組を中心に収録するアーク放送センターは、3つの大型スタジオ・サブを構えています。中でも主にバラエティ番組を制作するためのBスタジオとCスタジオのための大型スイッチャーは16年前に導入されたシステムであったため老朽化が進んでいました。そこで2015年2月にCスタジオ、9月にBスタジオに、それぞれパナソニックの大型ライブスイッチャーAV-HS7300シリーズを3ME(各MEに4Keyer)、4DSK、DVE(各ME6ch)の構成で、ルーティングスイッチャーAV-WM7400を126×126入出力でご採用。直感的で柔軟な操作を実現するパナソニックのスイッチャーを中心にしたシステムが、展開の予想が困難なバラエティ番組づくりで確実・円滑な収録に貢献しています。

3ME構成でレイアウトされた大型スイッチャーAV-HS7300シリーズ

マルチビューアーの切り替えを手元で細やかにコントロールできる特注の制御ボタン

Cスタジオのサブコントロールシステム

AV-HS7300シリーズのメインフレーム、ルーティングスイッチャー
AV-WM7400など(左:Bスタジオ用、右:Cスタジオ用)

お客様の声

株式会社テレビ朝日
技術局 設備センター

森田 英之 様

機器・システムの安定性はもちろん、パナソニックさんとの信頼感で、
実際の運用で誰もが使いやすい、安心のサブシステムを構築できました。

テレビ朝日では2003年の地上デジタル放送の開始から本社の情報系のスタジオ・サブや中継車でパナソニックさんのスイッチャーAV-HS5300を複数導入してきました。このアーク放送センターのBスタジオとCスタジオは収録専用のスタジオで、これまでは1999年に導入したスイッチャーを長年使用しており、そろそろシステムの更新を検討していました。そのタイミングでAV-HS5300の後継機種が登場するということで大変興味深く思っていました。BスタジオとCスタジオはともにバラエティ番組での使用がメインで、しかも広さが同じなので、スタッフはどちらのスタジオも使う状況にあります。そこで、環境が同じであった方が良いと考え、BスタジオとCスタジオにそれぞれ、同じAV-HS7300シリーズを導入しました。

AV-HS7300シリーズはスイッチャーとして充実した基本機能を備えています。中でもプロジェクトファイルは非常に便利で嬉しい機能です。スイッチャーのボタンひとつであっても、発光させたい人、タリーが分かりにくくなるためあまり光らせたくない人など、使う人によって様々であるのが現状です。ひとつの番組内であってもスイッチャーの前に座る人が収録日によって交替することも珍しくありません。今まではシステムとしての設定だったため、誰かが設定を変更すると次に使う人がまた面倒な設定をし直さなければならない状況にありました。AV-HS7300シリーズはそれらの細やかな設定までをプロジェクトに登録することができます。卓の前に座る人の好みに合わせて簡単に設定を呼び出せるのです。スイッチャーは座った時点から数時間はその人独自のスイッチャーになります。座ってすぐに“自分のスイッチャー”として使用できる。その便利さは言うまでもありません。

また、大型モニターを使ったサブの運用もパナソニックさんのシステム構築力のおかげで実現しました。マルチビューアー装置を使って大型モニターを2台にし、そこへ分割画面で表示するスタイルにすることができました。検討時は、マルチビューアー装置を使うと「タリーが点くのが遅いのではないか」、「ディレイがあるのでは」などの懸念があり、検証を重ねたのですが、問題はありませんでした。もちろん、実際に使い始めている現在も、問題は発生していません。分割画面にしたことで、例えばカメラを3台しか使用しない番組と10台使用する番組で、分割画面の大きさやレイアウトを自由に切り替えることができます。個別モニターと遜色ない状態で使えるだけでなく、番組の特性によって表示を変えられることは、番組づくりに大きなプラスとなっています。パターン切り替えは、本来はラックのマルチビューアー装置本体でしかできないところを、スイッチャー卓の前面にコントロール用のボタンを特注でつくり、手元で行えるようにしました。さらに、スイッチャーのマルチビューアーなどの出力をカメラのリターンへ入れることで、カメラマンは自分以外のカメラマンが撮影している画を確認できるようになりました。非常にクオリティの高い収録ができるようになったと好評です。以前はリターン用に外付けの4分割専用機器を別で用意したり、DVPで工夫をしながら表示させていたのですがその必要もなく、簡単ですね。

最後に、スタジオ・サブシステムの最も大切な要素である安定性も、当然ながら問題はありません。収録番組であってもトラブルが発生するとその影響は大きいのですが、その点も非常に安心しています。また、初号機を導入させていただきましたが、導入後半年~1年弱使用していても大きなトラブルがなく安定した運用ができております。

パナソニックさんとは長いお付き合いということもあり、これまでの使い方などを設計時から確認していただきながらご理解ある形で対応してくださったと思っています。これから4K、8Kという時代がやってくると思いますが、その場合でもパナソニックさんとの信頼関係で機能の追加など、ご相談に乗っていただければと思います。

システム構成

システム構成

主な納入機器

ラック実装機器

  • ライブスイッチャー AV-HS7300シリーズ:B/Cスタジオ各1式
  • ルーティングスイッチャー AV-WM7400シリーズ:B/Cスタジオ各1式
  • ペリフェラル棚
    VDAユニット
    U/Cユニット
    D/Cユニット
    FSユニット
    DDAユニット
    FS+CCユニット
    MPXユニット
    DMPXユニット
    AVDLユニット
  • SENDスイッチャー
  • ビデオタイマー
  • 動画ファイル装置
  • LAN MANAGER
  • マルチビューアー(32分割/16分割)
  • 各種IF棚
  • アラーム監視サーバー

操作卓

  • スイッチャー卓
  • D/TK卓
  • CD卓
  • VE卓関連機器
  • LD卓関連機器
  • 音声卓関連機器

モニター棚

  • スイッチャーモニター棚
  • 音声モニター棚関連機器

お客様プロフィール

関東広域圏を放送対象にした、全国24局のテレビ朝日系列のキー局。ニュース・情報番組からドラマ、バラエティなどすべてのカテゴリーにおいて、多彩で新しい番組づくりを追求されています。

 

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