ラグビーワールドカップで活躍したAJ-PX270
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スムーズな手持ち撮影を実現する軽量設計
株式会社ジェイ・スポーツ様は、国内最大4チャンネルのスポーツテレビ局です。「J SPORTS 1」「J SPORTS 2」「J SPORTS 3」「J SPORTS 4」の4チャンネルで世界中のさまざまなスポーツのコンテンツを放送されています。以前から高画質記録が低ビットレートで行える新たなカメラシステムの導入を検討されており、メモリーカード・カメラレコーダーAJ-PX270に注目。実際に撮影するスタッフの手により、他社製カメラとともに約1カ月のテスト使用で比較・検討し、5台のAJ-PX270の採用を決定されました。2015年9月から10月にかけて日本中を熱狂させた「ラグビーワールドカップ2015」ではインタビューや練習風景をAJ-PX270で撮影。データをmicroP2カードに保存して取材スタッフ自ら現地でオフライン編集し、日本のスタジオへIPによる転送を実施されました。フルHD映像を低ビットレートで圧縮可能なAVC-ULTRAコーデックに対応していることで、現地での編集フローや日本へのデータ転送もスピーディに行われ、取材スタッフの作業効率化に貢献しました。また、よりスムーズなデータ保存、転送のために3台のメモリーカード・レコーダーAJ-PG50も導入。さまざまなスポーツ収録で活用されています。
実況中継でも活用
液晶モニターはサムネール表示で収録素材を見やすく表示
メモリーカード・カメラレコーダーAJ-PX270
メモリーカード・レコーダーAJ-PG50
株式会社ジェイ・スポーツ
制作技術部長
富久 洋次郎 様
株式会社ジェイ・スポーツ
制作部 第2制作チーム
ディレクター
沼倉 敦 様
以前はHDV方式のカメラを使用しており、テープが不要な制作スタイルを確立する必要性を感じ、機材選定を始めました。AJ-PX270はショルダータイプに近い機能を持ちながら小型・軽量で、カメラマンの動きが多いスポーツ中継に適しています。実際に手に持つとレンズ下にあるRECボタンが押しやすく、オーディオの操作類もボタンが内側に集約されておりカメラマンの機動力を損なわない直感的な撮影をすることができました。
特に、カメラを構えた時のバランスの良さや重心の安定性により、手持ちで撮影する際の上下のアングルに広がりが出たと感じています。ラグビー日本代表の公開練習においては、カメラの近くでスクラムが組まれた際は選手の表情が見えるように下から撮影し、ラインアウトの際は最大限高い位置から撮影するなど、カメラマンの思い通りのアングルを選択することができました。また、レンズリングがなめらかに動き、寄りや引きの映像もスムーズにおさえることができ、ズーム性能が高いためラグビーというスポーツの臨場感をしっかりと伝えられる現場撮影ができたと思います。
AJ-PX270を使った撮影は主にロンドン郊外のベースキャンプ地で行われました。AVC-Intra50で収録されたデータは64GBのmicroP2カードに保存。1日の撮影が終了するとすぐにホテルでオフライン編集を行い、白完までつくり上げます。その後、日本のスタジオへIPを使い伝送しますが、滞在先が都心部から離れていたため、ネットワーク環境は芳しくない状況でした。しかし、AJ-PX270は高精細な映像のまま小さいファイルサイズに圧縮できるため、アップロードをきっちりと行うことができ、放送時間に間に合わせることができました。
今後の予定としては、「2015ジャパンカップサイクルロードレース」という自転車の競技大会で、AJ-PX270に搭載されているGPS機能を活用した撮影を行う予定です。株式会社プロスパー電子さんが開発した位置情報表示システムと連携させて数台のカメラのそれぞれの位置を記録し、移動しているカメラマンの撮影場所や距離情報をグラフィックの地図に表示させます。フィールドで行われるスポーツと違い、長距離を移動する自転車競技において、GPSで追跡しながらの撮影は新しい制作スタイルになるでしょう。
小型なハンディでありながらプロフェッショナルな要望に応えるAJ-PX270の導入により、撮影・編集・放送まで、さまざまなワークフローを革新することができました。パナソニックさんが海外で試験運用サービスを開始している映像伝送のためのクラウドサービス“P2 Cast”もロンドンで実験しましたので、そのワークフローも視野に入れながら、今後もさまざまな番組収録で活用していきたいですね。
1996年に設立された株式会社ジェイ・スポーツ様は、BS放送やケーブルテレビ放送を通じて、野球、サッカー、ラグビー、格闘技、モータースポーツ、サイクルロードレースや、その他にもスポーツテレビ局ならではの多彩なラインナップで数々の番組を放送されています。また、オンデマンドによる生中継配信も実施し、PC、スマホ、タブレットから視聴者が好きな場所でLIVE映像を見ることができるサービスも行っています。2014年9月には東京オリンピック・パラリンピックのメディア委員会に参加。スポーツ文化の定着へ向けて、より一層活動の幅を広げられています。