VARICAM 活用事例Vol.2

VARICAM 35やGH4を含む多数の4Kカメラを使用

2014年12月3日に行われた、H-IIAロケット26号機による小惑星探査機「はやぶさ2」打ち上げの4Kマルチカメラ撮影プロジェクトでは、VARICAM 35×3台とAG-GH4U×5台を含む多数の4Kカメラが使用された。

これは、JVCケンウッド・ビデオテック、ジャパンケーブルキャスト、日本デジタル配信、NEXTEPが、4K試験放送「Channel 4K」において「はやぶさ2」の打ち上げを鹿児島県種子島から4K生中継するプロジェクトで、Channel 4K向け生中継と「はやぶさ2」をテーマにしたドームコンテンツの撮影が行われたもの。

当初、打ち上げが予定されていた11月30日は、イベント会場(宇宙が丘公園)にVARICAM 35を含む計3台、発射台近くの恵美之湯にはVARICAM 35×2台、AG-GH4U×2台など計6台、JAXAにはAG-GH4U×3台のトータル12台の4Kカメラによって4Kライブ中継&ドームコンテンツ用収録を行う予定だったが、打ち上げが延期された12月3日には計7台による撮影となった。ドームコンテンツ用の素材は、全てそれぞれのカメラフォーマットによるRAW/Logで収録した。なお、4Kシステム構築にはビデオサービスが協力している。

イン・カメラ・カラーグレーディング機能やデュアル・ネイティブISOが活躍

今回のプロジェクトにおけるマルチカメラ収録では、VARICAM 35に搭載されたイン・カメラ・カラーグレーディング機能と、デュアル・ネイティブISOが活躍したという。

撮影・機材協力を行った撮影技術会社の極楽映像社代表取締役の野澤啓氏は、「マルチ撮影で一番難しいのはカメラ間の色合わせです。今回は、VARICAM 35のイン・カメラ・カラーグレーディング機能によって、全てのカメラのカラーを統一させることができました。また、発射台への移動は12時間前に行われますが、はやぶさ2の打ち上げは午後1時頃だったので、移動するのは真夜中。デュアル・ネイティブISO機能により、ISO5000への切り替えが圧倒的な威力を発揮しました」と話す。

幅広いジャンルの撮影でVARICAM 35が順調に稼働

極楽映像社では、ミュージックビデオ(石井竜也、平原綾香、ALLOVER、放課後プリンセス、イルマニアなど)やLIVEなどのマルチカメラ収録ビデオ、企業映像(パナソニック、トヨタほか)、インフォーマーシャル(パナホーム、花王)、テレビCM(デアゴスティーニ、丸大食品、アテックス、サンスター文具、ショウワノートほか)、テレビ番組(「新ウルトラマン列伝」)など幅広いジャンルの撮影でVARICAM 35が順調に稼働しているという。

「新ウルトラマン列伝」の撮影は、HD収録をベースとし、合成部分では4K収録が行われた。デュアルレコーダー&デュアルコーデック機能により、通常のシーンではProRes HQによるHD収録をメインに、バックアップとしてAVCIntra100で収録。グリーンバックによる格闘シーンでは、VARICAM 35をミニジブに装着した撮影も行われている。

また、ウルトラマンの“命”でもある「カラータイマー」や「目」が、光源であるLEDとCMOSとの相性の問題でクロマが飽和し、色が潰れて滲んでしまうといった課題も、2015年2月のファームアップで解消された。野澤氏は「ウルトラマンや怪獣が巨大化するシーンやオープニング等の格闘シーンでは4Kで引き目に撮影しておくことで、ズームの幅を持たせることができ、余裕を持ってポストプロにおける合成が行える。

これはいわば“HDのための4K”といった使い方です。4Kで撮る=編集で後処理がある、というのが演出サイドの意志。4KとHDの切り替えも容易に行えるので、HDと4Kの素材が混在する撮影現場では重宝すると思います」とする。

 

VARICAM 35は本格的な4K時代にシームレスに移行できるカメラ

野澤啓 氏

野澤啓 氏

極楽映像社がVARICAM 35×2台を導入した大きなポイントは、「全方位」で使えることや、独自のモジュールシステムによる「将来性」だ。

野澤氏は「VARICAM 35のテスト機で静止気象衛星「ひまわり8号」打ち上げの撮影などに使っていくうちに、VARICAM 35が“普通に使える4Kカメラ”であり、“オールラウンド”に対応できる4Kカメラだと実感しました。現在のトレンドである、現場でライブグレーディングし、LUTをあてて収録するというシネマの手法でももちろん使えますし、ビデオレンズのコネクタによりB4マウントに装着して電源供給もでき、HD/4K同時収録も可能なので、ビデオカメラのワークフローをそのまま使うこともできる。個人的には、テレビ番組の収録に向いているのではないかと思っています。来るべき“本格的な4K時代”にシームレスに移行できるカメラだと考えています。映画やCMだけでなく、あらゆるフィールドにマッチしたアレンジが可能で、ここ数年の当社のテーマだった「4Kカメラの選択」にある1つの“答”が出たと感じています」と話している。

 

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